腕まくりをして、アフリカの地に立つ!! 〜人生は夢ばかり〜

見えてる世界のその先に進みたい!アフリカの紛争国“スーダン”できっとそれを掴むブログ

君の任務は大豆をスーダンに広めること!落ち込んでも、必ず立ち上がれ。

こんにちは。

北アフリカに位置するスーダンで、青年海外協力隊として活動しているマルヤマです。

先週ひさびさに「うわぁぁあ~!やっと終わったー!!!」と、めちゃくちゃ気持ちいい達成感を感じました。

 

それは....

 

5日間【大豆プロジェクト研修】講師をしてきたんです!

と言っても、まったくのド素人

しいていうなら「納豆や枝豆がけっこう好きなんですよ!」ぐらいの立ち位置。

日本では経済学部を専攻して、卒業後は金融機関で働いていました。

そんなペーペー大豆先生と、初めて大豆に触れるスーダンとの5日間を記事にしました。

■目次 

1.大豆をアフリカに広めたい

1-1.経緯

国連の専門機関の1つであるUNIDOが立ち上げたプロジェクトです。

UNIDO(United Nations Industrial Deveropment Organization:国際連合工業開発期間)は、国連の専門機関のひとつで、開発途上国市場経済移行国において包摂的で持続可能な産業開発を促進し、これらの国々の持続的な経済の発展を支援する機関です。( 

UNIDOの概要 | 国際連合工業開発機関(UNIDO)

)

大きな目的は4つ。

  1. スーダンの貧困の削減
  2. 食品と栄養のサポート
  3. 加工大豆製品の現地生産の能力
  4. 農業支援

これらをターゲットにしながら、雇用の創出収入向上を目指していきます。

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そして、UNIDOからJICAスーダン事務所に「何かいいアイデアは無いか」とお声がが掛かり、「やってみたら?」と私のもとに届いたわけです。

面白そう!!やりたいです!

一つ返事で受けました。

活動先である職業訓練校でカフェプロジェクトを立ち上げたり、お家でせっせと納豆作りをしていたので、巡り合わせのように感じました。

 

 

1-2.スーダンの大豆の世界へ出陣

さっそく会議に出席させて貰えることになりました。

英語とアラビア語が超高速で飛び交っていて、理解しようとするので精一杯。全身から汗が滲み出ます。。。

会議出席者の多くは、このプロジェクトを専門(他のプロジェクトを持っていない)としていて、中には海外研修で勉強してきた方もいました。

ヤル気がある雰囲気。。。いつぶりだろう?

私からも企画書を作って、提案することにしました!

1-3.打ったボールよりも、強く返ってきた!

企画書の大まかな内容は、大豆を広くひろめるために、まずはスーダン料理をベースとして、材料を大豆製品に代替えるというもの。

ラッキーなことに、スーダンは主食同然に豆料理が多く、小麦粉の消費量も多いんです!なんせ、公務員のボーナスの現物支給に小麦粉が入ってるぐらいですから。

  • そら豆等⇒大豆
  • 小麦粉⇒きな粉

こうして、現地スタッフでも作りやすい・馴染みやすいレシピをいくつか考案し、会議で企画書と合わせてプレゼンしました。

結果は、針のむしろでした!(笑)

でも嬉しかった!!反響が大豆への関心の強さを確信したからです。

その後何度か会議がありましたが、常に議論の中心には私の企画書。

毎回浴びせられる質問と指摘。

正直、ある程度聞きとった中から、詳細部分を憶測するのがやっとで、自分の意見をその場でほぼ伝えられませんでした。反省点です!

なので、家に帰って考えを整理してから、ノートに書いた英語・アラビア語を次回の会議やメールで伝えていました。

そして一向に、他に企画書が上がって来ない。。。

1-4.晴天の霹靂!君がみんなのトレーナーだ

 「来週から研修を始めよう。君がトレーナーだ!」

えーーーーー!!!!

「講義は何をする予定?」

丸投げーーーーー!!!! スーダンあるある。いつものパターン。

あくまでも現地スタッフのサポーターという形で、アドバイスや企画書提案を行ってきたのに。。。どうするー!?

私も答えました。

「これはスーダン人による、スーダン人のためのプロジェクトだよ。」

「大豆の海外研修に2週間行って来た職員は、学んできたことを皆に共有して欲しい。」

「円滑なコミュニケーションのためにも、スーダン人がトレーナーになるべきだよ。私は食品加工のプロフェッショナルじゃないけど、変わらずサポートはするから」

その返答。

「大丈夫!君がトレーナーだ!」

良くも悪くも「大丈夫」が口癖のスーダン人。

例えば、レストランのオーダーミスを指摘した時、車をぶつけれた時、間違った店員や事故を起こした側が「大丈夫だよ!」と言います。(笑)

今回同様、あなたは言う立場じゃないってば!!と思うんですが、郷に従って、

大丈夫だと思うことにしました。(笑)

2.目の前のチャンスに飛び込むだけ 

2-1.考え方を変えただけで景色が変わる

大慌てで準備に取り掛かることになりました。

1週間10時から14時まで4時間を任せられ、午前は講義・午後からは大豆の加工調理実習をする予定です。

全く知識がないコトについて、それも第三外国語で午前2時間講義.....

誰にでも分かって貰える講義内容を心がけるのですが、スーダンアラビア語の辞書に載ってないものばかりだし、そもそも2時間も話す内容が埋まらない。。。

「メンドクサイ事は、いつも押しつけやがってー!またどうせ支援して貰って、誰かが全部してくれるって思ってるんでしょ。」

 活動後に毎日深夜まで準備をして、睡眠不足と疲れの中でゴールが見えないことに、イライラが積もり、こんな風に思っていました。

勝手に不信感を抱いて悶々とする夜。

でもスーダンに来ることを選んだのも自分。

つい先月まで大豆プロジェクトにワクワクしてたっけ。

ほんの少しでも、スーダンのこれからに役に立てるかもしれないのかな。

信用してくれて頼んでくれたってこと?

もしかして、素人なのに海外で講師させて貰えるって、めちゃくちゃラッキー!?

事実をいったん受け止めてから、嫌だったことの中でも「良いところ」を見つめると、「否定」が「反省」と「これから何が出来るか探し」へ変わっていきました。

始まる前から、出来ない理由ばかり探してた自分恥ずかしすぎる。

苛立って、否定ばかりしていた!

2-2.楽しいだけじゃダメなんだ。

 いよいよ1週間の大豆トレーニングコースが始まりました。

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初日から様々なトラブルが重なりましたが、トラブルがある方がいつも通りで安心出来るスーダンです。大丈夫!(笑)

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 保健省や、企業を支援する第三セクター、食品加工の教授などが参加し、すぐに回答出来ないような質問もたくさん受けました。

午後からの調理実習は5品。1日1品です。

1日目クッキー。

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 きな粉の香りが気になるようで、ココアパウダーも使用。

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2日目は、ターメーヤ。

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ペーストしたひよこ豆に、香辛料と薬草を入れて揚げたものです。

大豆50%の割合を丸型、25%をスティック状にして、後から判断出来るようにアイデアを出してくれました!ナイス!!

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3日目はハビースと呼ばれる、ミルクティーにとっても合う油たっぷりクッキー。

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この日は2時間半の停電がありました。もう生地は作っているし、調理室は猛暑(日中は45℃ちかくなります)で、焦りました。でも若手の受講者が、町まで車に天板を持って出て、焼いて帰って来てくれたんです!

柔軟な判断と、それを迅速に行動に移せるところは、スーダン人の強み。助かりました!

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4日目はエーシュ。パンです。

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1つは「日本のパンの形で焼いて~」と言われたのですが、日本のパンの形??

そもそも和食じゃないし、たくさん有るよ~、ウサギも犬もあるよ~と言いながら丸。(笑)

最終日5日目は、餃子や春巻きの形に似ているサンブクサー。

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小麦粉で作った生地を薄く伸ばして、中に塩みの強いチーズ・細切りピーマンとニンジンなどを合えたものを入れ、オーブンで焼きます。

調理パンに近いです。最終日は自主的に「得意だよ!これは私がしたい!」と手を挙げてくれた受講者がいて、代打で先生をして貰いました。

午前中にたっぷりと講義をして、その後の調理実習は、私も受講者も1日の楽しみになっていました。

みんな作りたくって、触りたくってこんな感じ。

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ボウルの周りに、重なる。 

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2-3.グサリと刺さった言葉もあった。。。 

でも実は、落ち込むこともありました。

例えば、

「大豆は美味しくない!臭い。だからニンニクで臭いをごまかそう。」

今考えれば、受け入れる為にアイデアを出してくれて素晴らしいと理解出来ます。

でも、日本の食べ物を否定されてるように感じて、スーダンの料理に飽き飽きしてしまった事もあった私は「失礼な人だなー!」とイライラしてました。

スーダン料理は、こんなんじゃない。」

スーダンの料理が食べたいなら、スーダン人を講師にすべきだとは何度も伝えている。今回は健康的な調理方法・大豆を使ったものを紹介することを、目的にしていますよ。」

「でも、スーダンではこれは食べない。」

「そうなんですね、じゃあ是非お家ではスーダン風に作って、みんなに勧めていて下さい。」

「でも、スーダンでは大豆は食べないし、こんなんじゃない。」

「そのためのトレーニングコースです。」

しまいには「あの子は、食品加工の大学院を卒業しているの?」とまで言われました。。。

ある1人の女性受講者とのやり取りだったけど、同じように思っている方もきっといたと思います。

新しいものが大嫌いなスーダン人。特に食べ物は顕著です。

派遣前からもスーダンに在住経験がいる先輩たちからも聞いており、赴任してからも、周りでよく聞くのですが、痛いほど実感しています。

“でも、スーダンは”この言葉。

良いところは思いっ切り伸ばして貰って、さらに良くなれるチャンスがあるなら、一緒にチャレンジして欲しい。

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私の語学力や伝える能力の低さが原因で、チャンスがチャンスとして十分に生かされて無いかもしれない。落ち込みます。でも、2つとも自分で解決出来ることなので、今後の課題となっています。 

2-4.一次感情を認める。

「全てのことを差し置いて、毎晩遅くまで私は準備してるのに、スーダンは、スーダンは、って、何なの!?スーダンの郷土料理教室を開いてるわけじゃないんだから」

めちゃくちゃ怒りパワーが溜まってました。(笑)

でも怒りって二次感情なんですよね。

本当の感情は、二次感情の下にあって、例えばカッとなって子供を叱る親は、心配だからこそ怒っている。

一次感情は何か?自分は何に対して怒っているのか?それを見つめなおすだけで、未来志向で物事を解決できるはず。

出典:マンガでわかるアドラー心理学

この本の一節を思い出して、ハッとしました。

私は大豆を認めて貰いたくって、彼女はスーダンの文化を知って貰いたい・大切にしてもらいたいだけなのかな? 

2-5.共感したいし、してもらいたい

講義の内容を一部変えて、気持ちの奥底にあることを伝えてみました。

「大豆が全ての健康、糖尿病に1番良い食べ物だとは言いません。

それに、私は大豆のマーケティングに興味がある訳でもありません。1年後に任期を終えて、日本へ帰るJICAボランティアです。

しかし、ここにいる皆さんは、これから先もスーダンにいる方が多いでしょう。そして、これからのスーダンをより良い国にしていく方達だと思っています。

私はスーダンのことが大好きだから、スーダン人の健康・生活にはとても関心があります。

みなさんの家族のため、全てのスーダン人の健康に、必ず大豆が役つはずです。」

初めて拍手された気がします。(笑)

例の彼女にも最終日、「5日間全てのプレゼン資料が欲しい。何かあったら相談したいから、連絡先教えて」と声を掛けて貰って、涙が出そうになりました。

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  3.振り返ってみて。

3-1.自分の常識を人に押し付けない。

「言葉にしなくても、それぐらい分かってくれているだろう。」って、頭の片隅にあったみたいです。

いやらしいぐらいに言葉と態度で表して、ようやく伝わったり、理解出来る事が多かったから。

自分の凝り固まった殻を、落ち込んだりもするけど、ぶっ壊して進んでいくぞー!

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