シリア難民からの贈り物。
「これはどこ!?大変なことになっているよ!」
初めてスーダンでTVをみたとき驚いた。
戦車が走り街が爆発しているのが画面に映っていたからだ。どこがで戦争が始まったのか?!大慌で大家に確認をしたら、顔色一つ変えず「中東だよ~」と返って来て面食らった。
政治家が国会中に居眠りをし、芸能人が離婚するテロップを見慣れてるのと同じように、スーダン人には“いつもの感じ”に写っているようだった。
シリアで紛争が始まって4年半。
シリア全域で激しい戦闘が繰り広げられ、国を追われた一般市民は400万人を越えたそうだ。国内避難民は760万人。出身国別で世界最多の数。(2015年8月データ)
私が住むスーダンでも200万人が、スーダン政府軍と武力勢力の対立紛争で難民となっている。2014年12月より激化して、さらに470,000人。今年は50,000人以上の人が避難する事態となっているのだ。
そんなスーダンでも2,3か月前から市内でシリアからの難民をよく目にするようになった。
2人組で話しかけてくることが多い。
幹線道路を歩いていると『シリアから避難してきた。とても苦しい生活をしている』という内容の立ち話をして、『可哀想だな、家に帰りたいだろうな』とはもちろん思うが、だいたいお金を要求される。いまの私にはそれぐらいしか、彼らに直接的な支援が出来ないから当然のことなのかもしれない。
先日記事にしたお茶屋さんでこんなことがあった。
隣に座っていたスーダン人らしくない男性から話掛けられ、趣味の話になった。
英語とアラビア語を混ぜて話してくれるが、ひとつかみ程度しか理解出来なかったと思う。それでもすごく楽しそうに話してくれるので、相槌をうって何とか話が盛り上がった。
私は“旅”の話をした。とても好きだということ、そこで出逢う人達も、体験も、感じたこともかけがえのないものになっていると、つたない言葉だったけど、私と同じように笑顔で聞いてくれた。
すると彼が「僕の国にもいつか来てほしい。とっても最高な国だから、今は行けないけど。これ約束のコインね」と渡してくれたのがこれ。
シリアのコイン。
大好きな祖国で暮らせない悔しさ、家族や大切な人達とも離ればなれの寂しさ、趣味もままならない不安定な生活。一言も彼の口からは出なかったけど、そのコインを見て痛いほど感じた。
テロだけが悪くて、空爆がしょうがないものだなんて、思う人はきっと少ないんじゃないかな。
とある方の言葉を借りれば、400万人が避難民になった出来事じゃないんよね。1人が暮らす場所を失った問題が、400万件あったんだよね。
戦争なんてやめて欲しい。
わたしは知ること、友達とこの事について話してみること、身近にいてくれる周りの人達を大切にすることから始めてみようと思う。
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